土作りワークショップ

昨年11月の「土のげんき 野菜のげんき 人のげんき 有機農業が人と社会を変える」
というセミナーが面白かったので
また行きたいなと思っていたら
今度は都内で実際の土作りのワークショップがあると知り
参加して来ました。
吉田俊道さんの土作りワークショップ

初回、何もないところに草と米糠を敷き込む作業は二ヶ月前に終わっていて
今回は2回目、前回からの土の状態を見るということだったのですが
参加して良かったです。
先生が盛り土を掘ると…

見えました!
糸状菌!
枯れ草に混じって
白い細い紐みたいなのが。

これがどんどん草を分解して
ふかふかの土にしてくれるそうです。

糸状菌の実物を見ておかないと
いつか自分で土作りした時に見逃しちゃうもんね。
今回の土、本当は途中でもうちょっと溝を掘って
水はけを良くすべきだった、
と先生が仰ってました。
糸状菌が増えるためには
濡れすぎていない適度な湿り気と空気が必要で
水溜りが出来てしまうと分解が進まないそうで
この二ヶ月のあいだに
ところどころ水溜りが出来ていた分
思ったより糸状菌が増えてない感じだ、と。
相変わらず気さくな吉田先生の語り口調がとても魅力的で
ちょっとなまっているところなんかも最高、
すっかり吉田ファンです。
長崎の先生の畑には市場からもらってきた屑野菜を引き込んでいると言う事ですが
参加者からは農薬のついた野菜を無農薬の野菜を育てる目的の土壌に混ぜてしまうのはいかがなものかと言う質問がありました。
私もその点には興味があったのですが
先生の返答は明快。
「もちろん無農薬野菜だけのリサイクルで
土作りが出来れば理想だし
その信条でやりきれれば素晴らしい。
でも現実には農薬を使った野菜の方が多い。
なので僕はあえて簡単に手に入る野菜で土作りをしている。
良い土で元気な野菜を作って
みんなが菌ちゃん農法っていいな、
と思ってくれるようになって
真似してくれれば
自然に無農薬野菜が手に入るようになる。
将来そうなればいいですよね」
この、柔軟な姿勢が
いいのだな~
無農薬とか無添加とかにこだわりすぎて
そうじゃないものに対して排他的になってしまうより、現実的で前向きな取り組み方だと思います。
吉田先生によれば
「日本で現在使用されている農薬は
時間をかければ糸状菌で分解できる。」
(重金属など無機物は無理ですが
有機物は分解できるそうです。)
との事で、
たとえ過去に除草剤が撒かれまくった土地だったとしても
絶望する必要はないんだなあと
希望を感じました。
ただ、その辺のゴミを野焼きしまくっている畑というのは
どんな物を燃やしたかどうかわからず
水銀汚染その他の懸念があるので
畑を始める土地としては推奨できないそうです。
なるほど。
近所に畑がないから
そういうこと自体を思いつきませんでした。

今回の土作りワークショップで
建設中の天然住宅も見学できました。
まだ内装が出来上がっていなくて
写真で見えているのは
壁の断熱材。
よく見ればこれは
おお、グラスウールではなく天然ウールじゃないですか!
終始木の良い香りがしているし
ホント、いつかはこんな家に住みたいなあ…
きよらも内装直後は床材の木の香りがしてましたが
この頃は完全にお灸の匂いしかしませんしね。
建主さんが自ら切り出してきたという柱が
太くて立派で印象的でした。
この家が完成して庭に野菜が実ったら
また見学させてもらいたいです。
帰り道ご一緒した、自宅の庭で家庭菜園をしているというご婦人が
菌ちゃん農法を知ってからは
雑草を見ると
いい肥料になるわ!と抜きながらワクワクするようになったと
仰っていたのが印象的です。
雑草=お宝!!!
野菜作りまで到達できるかわかりませんが
糸状菌のいる土作り、
ミニミニスペースで
ちょっと実験してみようと思います。

この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。