どっちも良し


月一回来院しているY子さんのお父様。
齢80を超え、いよいよ白内障手術をするとは聞いていたのだけれど
その費用が保険適用外の多焦点レンズ、片目で88万円也!
近視と白内障と乱視がいっぺんで良くなるらしい。
最近は選択肢が増えて保険外で手術する話をずいぶん聞くようになった。
お洒落な待機室で
家族がガラス越しに手術を見学できたそうで
臨場感溢れる状況説明をしてもらった。
「目玉をね、こう……..」
ヒィイイ…
聞いてるだけで眼が疼くような気分になるが、結果 お父様は
「新聞のいちばん小さい文字が読め
暗くなっても足元が見える」ようになり
「素晴らしい」と大変に満足しているとの事。
手術は一度しか出来ないそうだが
レンズの寿命は人よりも長いそうだ。
近視と老眼が絶賛進行中の身としては
将来白内障もなるだろうし
とてもとても気になる手術だがいかんせん費用がかかりすぎる。
将来 もうちょい安くなったらしようか、
何歳くらいで受けるかねえ?
なんて話をY子さんと盛り上がって、
続いて来た次のお客様に手術の話をした。
Y子さんの受け売りの話をそっくりそのまましたら
驚いてはくれたけれど、
「旦那さんはもうかなり眼がお悪いから
そういう手術を受けたら良いんじゃないですか?」
との私の問いに
「んー でも 眼が悪いって
それもいいことなんじゃないかなって。
私 眼鏡をかけて一生懸命仕事してる時の彼の顔が好きなんです。とても、優しそうだから。」
と、いつもの
鈴が鳴るような可愛らしい声で
思いもよらぬ素晴らしい答えが返ってきた。

ああ 今日も楽しかったな。

この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。